記憶にとどまる故事
曜日さえ忘れてしまうことがたびたびなのである。
なのに何故か、先日ラジオで聴いた故事が脳裏から離れない。
私には難しそうで馴染めない格言「人間万事塞翁が馬」である。
読書好きだった亡き父の形見「ことばの知識百科」をひもといてみた。
「人間万事塞翁が馬」とは 幸福が不幸の、不幸が幸福の原因になるので、予測しきれるものではないと書いてあった。
この格言の深い意味が、人生を重ねた今だからこそ理解できえたような気がする。
「人生万事塞翁が馬」と反芻している毎日なのである。
私のあまりの固執さに自分でも可笑しくなってしまう。
さしたる用ではなかったが、過日娘から電話があった。
はなし終えた時、急に娘にこの格言を伝えたくなった。
「ちょっといい～聞いてね、人生を歩むうえで、とっても大事な気がするの」。
さり気なくこの格言を一言一句ゆっくり伝えた、私からの遺言のように・・
聞く耳をもってくれた。
嬉しい。
人生で培ったことを、さり気なく、淡々と、ちょっぴりだけ今日も伝える。