身体が解放された歓び
睡眠導入剤を毎日服用していた。
午後9時には、癖にならない導入剤5㎎を2錠、眠いときも眠くないときも毎晩だった。
思えば孫息子が中学生の頃私は入院生活を送っていた、その間に育ちざかりだった孫息子は私の背丈を越していった。
退院2年目に高校生になった。
ママは食い意地の張った孫息子の弁当をお母さんお願いできますか、と聞かれ私は即座に”大丈夫作れるよ”と答えた。
それ以前から服用していた導入剤を飲み続けた。
お弁当づくりに精魂を傾けた。
孫息子はラグビーの選手のような立派な体格に育った。
孫娘と一年間二つのお弁当を作った。
今年に入ってあっけなく私のお弁当づくりは終わってしまった。
導入剤を必要とするほどお弁当づくりに私は心血を注いだ。
楽しかった!!
緊張の糸がぷつんと切れた。
あれほど導入剤を必要としていた私だったけれど、いまはなんと導入剤なしで眠りこけている。
昨夜8時すぎから今朝の7時過ぎまで、時々は目が覚めたけれどもよく寝たもの、私のいままでの記憶に残っていないくらい。
ベッドから起きてキッチンにゆくと、有難いことにマル夫さんは自分で朝食を食べてくれていた。
私はいま身体が解放された喜びを味わっている。
(2022.02.06 日曜日 11:29 記す)