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乳癌患者のテレビをみて思い出した当時のこと

2018年12月16日 最近思うこと [RSS][XML]

テレビをつけたら若い乳がん患者さんが、抗がん剤治療を受けながらタレント活動をしているという番組内容だった。
まだ26歳だという。
お若いのに長い人生を癌とともに歩まれることを思うと同情するに余りあるが、医療の進歩はめざましい。
私が脱毛したあのころを思いだした。
入院する前日に美容院にいって髪を綺麗にした。
抗がん剤治療を受けても脱毛はしないと思い込んでいたし、しばらくは綺麗なままだったので、私は脱毛しないものと何の準備もしていなかった。
ちょうど抗がん剤治療の点滴を受けて2週間後の今頃だっただろうか、病室の枕に沢山の髪の毛が落ちている、シーツにも、床にも。
やはり脱毛がはじまったかしらと不安がよぎった。
まもなくシャワーをしていると髪がごっそりと抜け始めた。
例外にもれず私も脱毛した。
気味悪くなり恐怖心が出てきた。
私は抗がん剤治療をしていることを自覚したもう一つは、白血球の減少があった。
血液検査の結果、豆注射を11日目、12日目、13日目の3日間受けた。
そんなこんなで2回目に受ける抗がん剤は、見合わせていだだいた。
その年の12月16日は放射線治療12回目となっていた。
指折り数えながら30回終了を待った。
有難いことに、主治医の先生からは「順調に行っていますよ」と回診のおりに結果報告をして下さる。
主治医の先生はいつも患者と真摯に向き合ってくださり、看護師のみなさんは、どんな時でもどんなことでも親切にサポートして下さる。
癌患者にとって、なんと心強いことか、ほんとうに有難いことだった。
私にとっては最適であり最高の病院だと感謝しつづけている。

すぐにショートヘァーの医療用ウィッグを注文した。
70過ぎの高齢者がつけるウィッグにしては若々しいショートカット。
このウイッグをつけると気持ちまで若返れた。
医療用ウィッグ
女性にとっては髪はとても大切なもの。

娘は素敵なキャップを持ってきてくれた。
まもなく8割近くの毛髪が抜け、すぐに丸坊主になった。
丸坊主の記憶は今にとどめていないが、瀬戸内寂聴さんみたいと思ったかもしれない。
その姿を見た、入院病棟の患者さんが「患者さんの付き添いだと思っていたけど、患者さんだったのね」とびっくりされた。
その頃、私にはガーデンのブログを書くことが生きがいだった。
病室でせっせと撮りだめした写真を、ブログにアップしながら4~5日の頻度でブログを更新していた。
今はたかだか2年前のことだが、そのころの意欲が懐かしい。

が、今は家庭のことと簡単なブログ日記を綴ることが出来る、友人と出かけることも出来る。
以前となんら変わらない生活の質を維持できることはこの上ない喜びである。


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