確定申告は主人任せ
友人F子さんからラインがあった。
確定申告終わりましたか?と。
私は確定申告はもちろん、すべてにおいて主人マル夫さん任せで人生を送ってきた。
主人マル夫さんは30代後半、いまから40数年前、銀行の本部で経理を担当していた。
あの若さで誰も思いつかないことを次々に打ち出し、出世コースを歩んでいたように見えた。
主人は私が言うのもおかしいが、鋭く頭の切れるタイプで、何事も即実行に移す行動力に、若かった私はいま思い返すと手綱加減に躊躇し悩ましかったことが遠い記憶の中から蘇ってきた。
あの頃、主人はエネルギーに満ちていた。
出世コースが約束されていたかもしれない。
しかしサラリーマンにありがちな、上司にペコペコへつらうタイプではなかった。
自分というものを持ち一匹オオカミを貫いていた。
サラリーマン世界の複雑な事情もあって、40代を過ぎると出世コースから外れたことがはっきりした。
窓際族になるより、ある企業で思い切り力を発揮したいと、平成元年銀行の支店長の座を譲って転職した。
この人なら新しい境地を切り開く実力が備わっていると私は思ったし、実際に転職先の企業では意欲的に仕事をやりとげ実績を残していった。
彼については取引先から高い信頼と評価を得ていた。
どんな困難な仕事でも出来ないことはなかった。
主人について殊更語る機会はなかったが、OB会では非常にやり手の方でしたねと評価はずいぶん高い。
恰好をつけることは好まない、目立つことはしない、見栄を張ることは好きではない、ありのままの自分でいることを良しとしている。
納得のいく人生を歩んできたことを、私は主人の生き様から理解できる。
もうすぐ男性の平均寿命に近づきつつある主人、生活習慣病や癌などの持病があるうえ感情の老化も目立つが、主治医の先生から献身的に支えていただいている。
「貴方ほど最後の最後まで思い通りの人生を歩める人はいないと思うわ」と私は度々言う。
お客様と接する機会の多い長女は、ちょっと見かけないタイプだよね~といつも言っている。
長女は、主人の家系を流れる血を受け継いだようでとても有難いと折にふれ話すことがある。
長女はお客様からたくさんの信頼と評価をいただき、実績に繋がっていることを先日話してくれた。
お陰様で有難いことに、私達は大変恵まれていることに感謝しなければと深く感じた。
余生を生きている主人と私、それぞれ活躍した当時のことをブログに綴ることはほとんどない。
いまを生きていることを綴っているブログは、年老いた私が妻の立場、姑の立場から一方的に感じたことを綴ってしまうことへの申し訳なさを、同時に感じてしまうことがある。
確定申告から人生を思い出したことを今日は綴ってみた。
(2022.03.03 木曜日 11:19 記す)