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生きることの本質

2020年12月13日 最近思うこと [RSS][XML]

主人の亡き母(姑)は大正7年生まれで、生家は「呉服商」だった。主人が生まれるとまもなく、主人の父はビルマに出征したという。
母親と主人は、出征した父が敗戦後帰国する昭和23年までの7年間、母親の実家である呉服店に身を寄せていたという。
呉服屋は親族たちが商いを手伝い、さらに使用人や女中など大勢いたらしい。

3~4代ほど前にさかのぼるが女性経営者は、非常に腕の立つ人だったそう。

男性と違って、敏腕家の女性の楽しみといえば食べること位だったらしい。

「美味しいものが食べたいから働く」がモットーらしかった。


亡き姑も「美味しいものが食べたいから働く」と言っていた。主人も同じく「美味しいものが食べたいから働く」一貫して受け継がれている。その家系ならではの精神が根底にある。


その「美味しいもの」とは決して「豪華なものや高級な食べ物」とは限らない。

何も分からないまま嫁いだ若い私は、舅姑や主人に、教わり積み重ねつつ、長い年月を経て今日に至った

12日は朝市がたつ日。

主人は朝市の鮮魚店で特大の新鮮なスルメいかを2杯買ってきた。

私に「イカの切漬け」を作って欲しいという。


昨晩はひと手間かけ「いか」の下処理をした。

イカの皮を剥いたものを真水に浸す(寄生虫が居た場合のことを考えて)

イカ
その後、水気を拭き取り塩を振りラップをまいて一晩おく。

いかの肥えた肝は、スミを取り除きサッと洗い塩を塗りチルド室でひと晩ねかせる。
イカの油

「イカの切漬け」はイカの細切りと肝をあえたもので、すぐに食べられる。

朝一番に「イカの細切り」と「イカの肝」をあえた。

イカの切漬け


イカの水分は抜け、細切りの身がトロッとしているところに、濃厚なイカの肝が絡み合い塩分少なめでとても美味しくできた。

美味しくつくる努力はするけれども、舌の上で味わいながら食べたりはしない私に「ゆっくりと味わいながら食べたら」と言ってくれる主人だけれども、家族を賄う私の立ち位置からして、そのような価値観は生まれなかった。

舌が喜ぶことは、身体が喜ぶこと、身体が喜ぶことは免疫力がアップすること、好循環が生まれるのでしょう。

お陰さまで、検査の結果は良くて「よい年が越せそうですね」と主治医の先生はおっしゃってくださる。


わたしは余生だもの、好きは好きと正直に貫けたらいいなぁ~と、主人の姿をみてふと感じた。

(2020.12.13 8:45 記す)

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