いまの私には不似合い
私たちが若くエネルギーに満ちていた頃、真紅の牡丹の木もまた若く40個ほどの見事なお花を咲かせていました。
新緑の庭にその燃える真紅が見事でした。
牡丹の木の寿命は50年ほどだそう。
真紅の牡丹は今年で何歳になったことでしょう。
何時ものように、お庭には、春の色とりどりのお花は咲いています。
庭の中心に、真紅の牡丹が、高貴で華麗でゆさゆさっと重厚な花姿が本当に美しい。
まばゆいばかりに咲く、真紅の牡丹は、今の私には、とってもまぶしすぎ直視さえ出来ませんでした。
望むべくもない若さへの羨望かもしれません。
すこし色あせ、散り始めた「真紅の牡丹」が、ようやくわたしの視界の中に入って来ました。
「真紅の牡丹」の花びらがハラハラ散り始めた雨の日、なぜかほっとした気持ちになりました。
もともとのわたし自身の趣向?それともいまの心境を映しているのでしょうか、路傍に健気に咲く、小さく素朴な花にこころ奪われていることがあるのです。
個人的には、どちらかと言えば豪華なお花より素朴で小さな花に安らぎを覚えるわたしですから。。