ひなびた味の「煮な汁」を作ったけれども
退院してきた友人が「煮菜汁」が食べたいと言っていた。
気にかかっていた私は「あなたの作る煮菜汁とあじが違うかもしれないけれど、うちの煮菜汁作ってあげるね」と私は約束していた。
ひなびた味の「煮菜汁」は塩漬け体菜の塩だしに時間がかかるので、すぐにできるお料理ではない。
塩漬け体菜、油揚げ、煮干し、酒粕、味噌など、それらを取りそろえ、時間はかかったがようやく煮あがった。
友人に連絡するが連絡がつかない。
お届けするもお留守だった。
予感めいたものがした。
数時間後、ご主人から「何度も連絡を頂いてすみません、いま検査で入院したところです。」と連絡をいただいた。
友人の歓ぶ顔がみたくてつくった「煮菜汁」。
わたしはもっと早くに作ってあげればよかったと後悔し、がっかり肩を落とした。
いまの若い人達は見向きもしない、ひなびたあじの「煮菜汁」
食生活が変化し、家庭で作ることがなくなりつつある「煮菜汁」
私たち高齢者は、とっても食べたくなる昔からある「煮菜汁」です。
(2020.12.09 13:09 記す)