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義母の味には到底及ばない

2020年2月21日 料理 [RSS][XML]

生前 義母(姑)は、お正月が近くなるとクルミを割り、千枚ドウシで殻から実ほじって出し「くるみなます」を作る準備を始めたものだった。
くるみなます

義母(姑)はもちろんのこと義父(舅)も大好物のようだった。

しかし、食生活の変化で「くるみなます」は、いまの若い人たちは好まないお料理。


知人が、屋敷内の「クルミの木」の下に完熟した実が、たくさん落ちていたからと、手間をかけ「ほじったクルミの実」を私に下さった。

そのいただいた「くるみ」を使って、姑が亡くなって以来殆ど食べてはいない「くるみなます」を作ってみたいと思い立ち、私は使う食材を揃えた。

ただこの「くるみなます」を誰が食べてくれるのだろうかと、考えるとちょっと躊躇した。

肝心の主人は好まないし、好物だといっていたのは遠方に嫁いだ長女くらい。

でも、私は「くるみ」をいただいたとき、美味しかったあの当時の「くるみなます」を作りたいと、ひそかに思っていた。

義母が亡くなって、あっという間に二十数年の歳月が流れた。

「くるみなます」を作っていた義母と交わした、その当日の会話がよみがえってきた。

ふと故人の魂は残っているものなんだと実感した。

食材は クルミ おろし大根 はすね 干椎茸 きくらげ ゆず 酢 砂糖 塩 など 食材の割合、味つけ、手順など当然コツがあったことだった。

私は手間をかけ「くるみなます」を作ってみたが、義母が作ってくれた美味しい味にはならなかった。



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