見上げてごらん雑木の新緑を
花壇で花の世話をしていたら、自転車通学の男子高校生が私に「おはようございます」「おはようございます」と清々しい挨拶をしながら登校していった。
希望の高校に入学でき、明るく希望に胸膨らませた生徒さんたちの気持ちが伝わってきた。
大人の世界は矛盾や不本意と葛藤しながら生きることではあるが、生徒さんたちには、めげずに自分の道を歩んでほしいと私は心の底から願った。
私は赤いチューリップを摘みながら「おはよう」「おはよう」と微笑み返しながら挨拶をしていた。
早朝に三つ葉を収穫する予定で庭にでたところ、うちの「雑木の庭」を愛でて下さる方が散歩していらっしゃった。
ハウチワカエデ、マユミ、ナナカマド、が植えてある。
私は春、芽吹き、花が咲き、夏は日陰を作り、秋には実がなり、そして紅葉するそのような樹木を選んで植栽をした。
20数年前の事だったが、コロナ禍以来、山に生えている自然な樹木に人気があるという。
自然樹形を楽しむ、雑木の庭が脚光を浴びているらしい。
散歩されてた方は「お宅の庭は四季の移ろいが感じられ、あまり見かけない風景だわね~」とおっしゃる。
私は、はっと気がついてあらためて樹木を見上げた。
私は庭の地面が痩せてきたこと、ドクダミが非常に増えたことなどが気になってつい上を向くことを忘れていた。
その方と一緒に、私は朝日が射し込んでキラキラ輝くわが家の新緑の庭を眺めた。
「ハウチワカエデ」のライムグリーンが眩しいほどに美しかった。
私のこころは癒された。
命燃ゆる春になり、躍動感に満ちた自然界からエネルギーをいただく。
庭の景色を眺めながら私のこころは充電された。
ハウチワカエデのライムグリーンの若葉と花束のような形の真っ赤なお花の対比は素晴らしい。
生きている歓びを味わったいい朝だった。
(2022.04.20 水曜日 10:01 記す)