立冬 朝から雷鳴しぐれ模様の日
だんだん簡素になってくる我が家の冬囲い。
凝っているマル夫さんは、病気になる前は「さつき」に片屋根手法で料亭のような冬囲いをしたものだった。
息子でなく私は助手をさせられた。
簡素になった冬囲いだけれども、留守役のマル夫さんは楽しみながら作業をしていた。
誰も手伝ってくれないなど、不平不満を言わなくなったマル夫さんの心の内を聞いてみた。
もうすでに亡くなっている方や身体が不自由な方がいらっしゃるなかで、持病が大いにある貴方なのに元気でこうして作業ができるって有難いと、もしかして思っているでしょうと彼の心のうちを言い当てたようだった。
彼は黙っていた。
お互いにそのような考え方に達した年齢になった。
齢(よわい)からして、持病もあるマル夫さん、精神力には特別なものがある中で、良き主治医の先生に恵まれまたことに、彼は感謝の念を抱いてることを話すことがよくある。
そとは時雨れている。
(2021.11.15 月曜日 12:34 記す)